ジャカルタ新空港を最大手通信会社が支援、全エリアでモバイル通信が可能に

今回ご紹介するのは、インドネシアの主要メディアの一つ、SWAから発表された、ジャカルタの新空港に関する記事です。

近年の経済発展にともなうスカルノハッタ空港の過密化を緩和する目的で、2014年1月、ハリム空港が政府により再開されました。同空港の通信設備を支援するのは、インドネシア最大手の通信会社、インドネシアPTテレコムです。

スカルノハッタ空港からマカッサルへ向かう国内線。

スカルノハッタ空港からマカッサルへ向かう国内線。

スカルノハッタ空港のますますの過密化を緩和するため、2014年1月10日金曜日、東ジャカルタに位置するハリム空港を、政府は商業利用の空港として運用再開した。

ハリム空港再開に伴い、インドネシアPTテレコムは空港エリア内の通信設備について様々な整備を行っている。

同社マネジャーによると、通信インフラの整備のうち特に力を入れているのが、携帯電話の基地局およびWiFiアクセスポイントの増加である。
※この記事は、SWATelkom ‘Percantik’ Bandara Halim dengan Infrastruktur Telko」の抄訳です。原文はこちらからご覧いただけます。

 


この記事のポイントは次の3点です。

1. スカルノハッタ空港の過密化
2. ハリム空港の再開
3. インドネシアPTテレコムによる空港通信設備の整備

スカルノハッタ空港の過密化

「ジャカルタの玄関口」として現在知られているスカルノハッタ国際空港(Bandara Internasional Soekarno-Hatta)は、1985年の開港以来、主に商業用(旅客および貨物用の国際線および国内線)に利用されている空港です。

昨今のジャカルタの経済成長に伴い、スカルノハッタ空港はキャパシティオーバーに陥り(2012年には年間5780万の乗客が利用。世界で9番目、南半球ではもっとも「混雑した空港」)、政府はジャカルタ南東にあるハリム空港の商業利用を決定しました。

ハリム空港の再開

ハリム国際空港(Bandara Internasional Halim Perdanakusuma)は、スカルノハッタ空港開港(1985年)までの間、首都ジャカルタのほぼすべての航空機の離発着に長らく利用されていた空港です。

1985年のスカルノハッタ空港完成以降は、同空港が主に商業用として、一方のハリム空港は主に空軍機や政府用機、プライベート機などの離発着用に利用されてきました。

2014年1月10日、スカルノハッタ空港の混雑緩和のため、ハリム空港が正式に商業用空港としての再スタートを切りました。主に国内線の一般旅客用の空港として利用されています。

インドネシアPTテレコムによる空港通信設備の整備

インドネシアPTテレコム(PT.Telekomunikasi Indonesia Tbk)は、インドネシア最大手の電気通信事業者です。

今回のハリム空港再開では、携帯電話の基地局やWiFiアクセスポイントの増設で、利用客のためにモバイル通信インフラが整備されます。国内線利用客の急増にともない発生するトラフィック増加の負荷にも耐えられるようになるとのことです。

スカルノハッタ空港の混雑緩和は実現するか

記事だけをみていると、ハリム空港再開によってスカルノハッタ空港の混雑が大きく緩和されることになったようにも思えます。

しかしハリム空港は主に国内線の一般旅客用の空港で、就航先は国内地方都市のうち特に短距離路線にあたるジョグジャカルタやパレンバンなどに限られています。バリやマカッサル行きなど国内の長距離路線は、いまもスカルノハッタ空港に委ねられています。

現地の方にお話をうかがうと、次のような実情も見えてきます。

  • ハリム空港はキャパシティやセキュリティなどの課題を抱えており、スカルノハッタ空港の国内線すべて(短距離便・長距離便とも)をハリム空港へ移行させるのは困難。
  • 以前より、ジャカルタ東部に位置する都市ブカシに空港建設の予定があるが、さまざまな事情で進んでいないため、(やむをえず)すでに存在するハリム空港が再利用されている。

「ブカシ空港」が完成し国内線が強化されれば、スカルノハッタ空港の混雑緩和が実際にも大きく前進するはずです。

また、ブカシは多くの日系企業が進出していることでも有名です。インドネシア国内の地方都市へ、日本企業がめざましく進出していくことも夢ではありません。

ジャカルタの渋滞事情とモバイル通信サービス

ジャカルタにいると、モバイル通信が連絡手段として必須のインフラであることを、日本にいるときの何倍も実感します。なぜなら交通渋滞がひどいからです。

ジャカルタの交通は道路がメインのため、都市部では多くの人が自動車やバイクで移動し、日常的に渋滞に巻き込まれています。しかも渋滞の度合いがひどく、乗り物の中に長時間、閉じ込められることになります。その間の連絡手段としてモバイル通信(主に安価で安定したSMSとインターネット)が有効なのです。

ジャカルタ市内の交通渋滞。平日の日中は常にこの状態が続く。

ジャカルタ市内の交通渋滞。平日の日中は常にこの状態が続く。

※ジャカルタでは深刻な交通渋滞による都市機能の麻痺が社会問題になっています。ジャカルタの渋滞事情とモバイル通信事情については、後日このブログで詳しく取り上げます。

今回のハリム空港のモバイル通信インフラの整備は、ジャカルタにおいて「必須のインフラの整備」であるともいえるでしょう。

参考資料

佐藤百合『経済大国インドネシア 21世紀の成長条件』中央公論新社、2011年

WIKIPEDIA Halim Perdanakusuma Airport http://en.wikipedia.org/wiki/Halim_Perdanakusuma_Airport

WIKIPEDIA Soekarno–Hatta International Airport http://en.wikipedia.org/wiki/Soekarno-Hatta_International_Airport

PT Angkasa Pura II
http://www.angkasapura2.co.id/

NTT東日本「PT. Telekomunikasi Indonesia Tbk(インドネシアPTテレコム)との覚書の締結について」
http://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20100610_02.html

detic news “Kerugian Akibat Macet di Jakarta Rp 128 Triliun/Tahun, Dua Kali APBD ”
http://news.detik.com/read/2013/10/30/120810/2399254/10/kerugian-akibat-macet-di-jakarta-rp-128-triliun-tahun-dua-kali-apbd

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